キミといたくて ~AYA~

「亜矢っ」

背後から真由美の声がした。

驚いて立ち止まる。でも、どんな表情をすればいいのかわからなくて、振り返るまでに少し時間がかかった。

「……何?」

真由美の横には結衣ちゃんがいた。変な期待をしていた分、がっかりしてしまう。

声をかけてきたのは真由美のほうからなのに、用件を聞いても何も言ってこない。イライラしたあたしは、ふたりに背を向けて帰ろうとする。

「亜矢ちゃん、ごめん! あたしがMDを借りようとしたから……怒ってるんだよね?」

再び、歩き始めたら、結衣ちゃんが話しかけてきた。

「違うよ、結衣。悪いのはあたしなの。……勝手に亜矢の物を貸そうとしたから」

「でも、それはあたしが……」

「ううん。結衣は何も悪くないからっ」

何、これ。

「亜矢、ごめんね」

結衣ちゃんをかばって、あたしに謝る真由美。

「……」

ほんとムカつく。
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