キミといたくて ～AYA～

早足で帰った。じゃないと、道端で泣いてしまいそうだから。

「亜矢？　なんかあったの？」

「何もない！」

家に帰るなり、すぐ2階へ上がったあたしを、心配するお母さん。

階段をおりていく足音。

お母さんがドアの前から離れたことを、耳で確認したあたしは、ホッとすると同時に、ベッドを強く叩いた。

「……ムカつく。なんでかばうの!?」

悪いのは全部、あの子なのに。

「あたしが悪いみたいじゃん!!」

みんながいる廊下で、ふたりして謝ってきて。何も知らない人からすれば、許さないあたしが悪く見える。

「ムカつく！　真由美なんかっ」

変わった。真由美はもう変わった。もう知らない人みたい。