オフィスの甘い罠
ホステス、紫苑――


それがあたしのもうひとつの顔。




「ハイハイ。そんなに
せかさなくったって、
紫苑様は逃げないわよ」



ボーイに魅惑的な笑みを投げて。



ドレスの裾を軽やかに
ひるがえしながら、
あたしはシャンデリアの
光が眩しいホールに颯爽と
踏み出した。






     ◇ ◇ ◇



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