~コイノオト~

高校卒業後、綾人は長距離トラックの運転手になった。2,3日会えない日が続き一緒に家にいる時間はほんのわずかだった。

「寂しい・・・・」
「寂しい思いさしてゴメンな。でも早く結婚するためには仕事頑張んないと」

私のワガママにいつも笑顔で答えてくれる綾人。私は綾人以外考えられない。
綾人もおんなじ気持ちかな?

今日は久しぶりに綾人が帰ってくる日。といっても家に帰るのは夜遅く。それでも私は昼間から腕をふるって最高の食事をつくって、綾人が帰ってくるのを待った。


―~♪
着信・綾人

久しぶりに聞く綾人の声にドキドキしながら電話にでた。

「優衣?」
「綾人?仕事終わった?」
「優衣ゴメン」
「ゴメンって??いつ帰ってこれる?」
「いや本当にゴメン」
「・・・・」
意味分からないよ。1日中綾人を待ってたんだよ。悔しくて寂しくて綾人に会いたくて涙がでる。

「また1週間は帰れない」
「待てないよ・・・」
「優衣ゴメン」
「バイバイ」
「優衣ゆ・・・」

一方的に電話を切った。帰れない理由も聞かずに


綾人のことが好きすぎてたまらなく愛しくて会いたくて。優しい綾人の声を聞けば聞くほどつのる思い。綾人の帰れないの一言に優しくなれなかった自分への後悔の気持ちで胸がいっぱいになった。


朝までないた。涙が枯れるくらいに声をあげて。
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