彼の視線の先、彼女。
チョコチョコと彼の3歩後ろをついていく。
堂々と隣を歩くのは気が引けた。
彼の隣にいる権利はないと、直感的に思ってしまった。
「・・・っ」
歩く度に揺れる綺麗な髪の毛。
広く大きい体。
あの頃とはやっぱり違って、少し男らしい。
スッとした彼の姿がやっぱり愛しい。
何があっても変わらないと、実感した。
「ごめんな、つき合わせて」
そんな声が聞こえたのは、きっと歩いて数分後。
少し離れた空き教室に入った直後の事だった。