終ワラナイモノ①

それぞれの思い

―in屋上

――Side拓弥

俺は何故か拓海に屋上へ連行された。


何か莉奈や優子に聞かれちゃマズイことがある?


意味わかんない拓海。


てか俺を屋上に連行した張本人がフェンスに寄りかかったまま喋んないんだけど。


『拓海、何か喋ってよ。俺こういう空気ダメ』

ハハっと笑って言ったけど拓海は無言で校庭を見ている。


『拓海、校庭に何かあっ「何で帰ってきた?」

俺の言葉を遮って拓海が言った。


昔から変わらないね。

人が話してる途中に話し出すところ。

『莉奈をフッたんだって?』

俺は何食わぬ顔で話をきりだした。

「フッてない」

『へぇ、まぁいいや』

俺は窺うような笑みを含めて言った。


「いいなら聞くなよ」

『良くないよ。あと率直に言うけど、俺は莉奈がフラれる原因になった拓海の彼女を見に来たんだよ』

「だからフッてない。それにあいつを見てどうすんだよ」

拓海が怪訝そうな顔をして言った。


『場合によっては莉奈を貰うよ』

「は?」

――Side拓海

『は?』

コイツいきなり何言い出してんの?

頭打ったか?

莉奈を貰う?

ファンタジーなこと言い出しやがって。

『頭打ったか?お前』

「正常だよ」

ニコニコしながら答えた拓弥。


『じゃあいきなり何言い「貰っていいの?」

『は?』

「莉奈を俺のモノにしてもいいかって聞いてるんだけど」

『………。』

「ふうん、何か言いたそうな顔だね」

『何で俺に聞くんだよ』

「理由は自分が一番よく分かってるんじゃない?」

『………。』


「じゃあ聞くけど、何であの子と付き合ってんの?」
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