幽霊執事でございます


「……アンタ、宮園か?」


……え?


「なんで……知ってるの?」


だってあたし、今日転校してきて――あぁ、まぁ、自己紹介はしましたけれども……。


「宮園の匂いがする」


どんな匂い!?


住人はクスッと笑った。


「知らないということは、ここには初めて来た?それとも教えてもらえなかった?」

「なんのこと……」

「この地にいて『宮園』を知らない奴はいない」


『宮園』を知らない奴はいないって……え?

そんなに有名なの?


「古くから『宮園』は生きる者のために亡き者からの贈り物を伝える立場にいた。その力を使い、多くの信頼を手にした」


……つまり、『宮園』って名前だけで信頼されてるってこと?


「この場でそんな機械で騙して話していても、皆の目は常に注目している」


……電話アピール、意味ないの……?

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