偽物かっぷる
よくばりミサンガ
そんな気持ちを
どこかにおしやって
今わたしはミサンガ作成中。

ある休み時間のこと。

「仁哉くーん。」

「なに?」

「好きな色3色………やっぱ2色教えて?」

仁哉くんだったら
きっと赤って言うだろうなぁ。

「……赤」

あったりー。さすがニセ彼女だ。

「と黒。」

「了解。ありがと。」

赤と黒とかカッコぃーな。

という感じで
ミサンガ作りました。

願いを込めて。

2人の楽しい関係がこれからも続きますよぅに。
勉強も頑張れますよぅに。
元気で笑顔で毎日すごせますよぅに。
仁哉くんがわたしのことを好きになりますよぅに。
本物になれますよぅに。

あれ?よくばりすぎてない?それよりなんか願いが変わってきてない?

まぁいっか。
はい。完成。

ちょっとガタガタしてるところもあるけど…
大丈夫だろう。

明日
学校でわたそう。





学校到着。

なんかへんに緊張する。


「菜恋、おはよう。」

わぁっ。
ここで登場、噂の仁哉くん。

「ぁっおはよう。」

「さっき駐輪場で……………」

なんかしゃべってるよー。頭に入んなぃや。

そぅだ。
手紙でも書こう。

っと授業中。

“ミサンガ作ったんだけど受け取ってもらえますか?(笑)”

汚い字で書いてわたした。

返事こなぃなぁ。

って下を向くと手紙がきてた。

仁哉くんって
いっつもコソっと手紙を届けてくる。
テクってるね。

“次の休み時間わたして”
って。

だから休み時間に仁哉くんにわたした。

「おぉー。ぃいなぁ。カッコぃぃ。ありがと。でも俺なくしそうやから帰りにちょうだい。」

って言われた。

で帰りし。

恥ずかしすぎました。
だってだって
仁哉くんが
「ポケットに入れて」
って言ってきたんだよ。

しかも
ズボンのポケット。

恥ずかしすぎました…



でもそんなこともあって今は
仁哉くんの筆箱には
赤と黒の
わたしの筆箱には
ピンクと黒の
ミサンガがついてる。

よくばっていっぱい願いをかけたけど
おそろぃができただけでも幸せだったんだ。
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