終業チャイム
自宅チャイム




「結婚指輪してるなんて、珍しいわね」




今日この言葉を言われたのは二度目だ。



一回目は職員室で同僚の女教師に

二回目は、



「いっつもわたしばっかしてるのに」



家に帰ってきて一番に、妻から言われた。


なにが悲しくて開口一番にそれを言うのか。

帰宅して玄関の扉に手を掛けたら鍵が掛かっており、たまたま鍵を部屋の中に忘れたらしく、仕方なく呼び鈴のチャイムを鳴らして迎え入れてくれた妻の言葉が、これだ。



俺が普段指輪を付けないのは、単にアクセサリーはどうにも落ち着かないのと、チョークで汚れるのが嫌だということだ。


その事を疑いながらひどく機嫌を損ねてるのは、もう26になる紛れもない俺の嫁だ。



「子供には本当に悪いと思うけど、わたしはもう耐えきれない。」



ほら、また





「別れましょう」





この話だ。




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