とある彼女のじれじれ彼氏


有紗に見下ろされるような体勢に。


有紗は頬を赤らめたまま私に顔を近づけた。



 「センセぇ…好きや…めちゃめちゃ好きやってん…」

 「私も…ですよ」

 「んふっ」



私の答えを聞くと目を閉じて唇を寄せてくる可愛い私の有紗。

…でもこんな有紗の意識も虚ろな時にキスなんかしたくない。


有紗もそうだろ?


私は有紗の後頭部に手を添えて有紗の軌道を唇から首筋に移した。


 「有紗…今年もよろしくお願いしますね」

 「え…」



遠くで除夜の鐘の音が聞こえた。


 「うん、よろしく…センセ……う、ち…な…」



有紗は今年の抱負でも言おうと思ったのだろうけど、甘酒の威力は凄まじく有紗の眠気を一気に誘って誘った。



 「好きですよ、有紗」



私はそんな有紗の頬に軽く唇を当てたなんて内緒だ。








,゚.:。+゚ happy new year




< 28 / 43 >

この作品をシェア

pagetop