運命~人形から人間に~
第三章:過去現在

拉致

・凛side・
今日は終業式。

朝から何だか
視線を感じると思ったら
バレていた。

そう。

なぜだか
あたしと暁が
付き合っている事が
バレていた。

まあ
別に
バレても
あたしには関係ない。

そう言えば
暁達も
この高校に通ってるハズだけど
あたし
見たことがないのよね…。

何でかしら?

何か
スッゴク気になるし
電話でも
して見ようかしら?

「もしもし?暁?」

「凛か?どうした?」

「あのね?
今どこにいるの?」

「あ~。屋上だ。」

屋上?

「でも
あたし
屋上なら何回か
サボりに
行った事あるのに
会わなかったわよ?」

「それは、屋上に
立ち入り禁止の部屋?
みたいなのあるだろ?」

部屋?

あ。

あるわね。

あったわ。

「え~。」

「そこに居る。」

「そうなの?
あたしも今から
行ってもいいかしら?」

「あ~。分かった。
でも何かあったのか?」

「何にもないわよ?
でも何だか
スッゴク見られてるの?
何だか
付き合ってる事が
バレてるみたい。」

「そうか。
待ってるから、早く来いよ。」

「うん。すぐに行くわ。」

そう言って
あたしは
電話を切った。

でも
あたしが
そこに
行く事はなかった。
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