アイドルまっしぐら!!


「……とっても幸せでした!!」




僕はその一言を残して、ステージを後にした。




「……いやぁ、よかったね。」



既にみんなはアンコール用の衣装に着替え出していた。



「アンコール!アンコール!」




会場からは予想通り、アンコールの声があがっている。




「さて、行きますか!」




僕が着替え終わると、大翔は大きな声で言った。






「まだまだ騒ごうぜ!!」





僕は、このコンサートで分かったことがある。




……僕は、『Cute Boys』としての一員でありたいと思う。




でも、里奈ちゃんを好きでいられないなら、




アイドルとしての自分は存在している必要がないと思ってしまう気持ちもある。



……僕はアンコールの曲を歌いながら、



どさくさに紛れて、アリーナ席に降りて、里奈ちゃんにサイン色紙を渡した。




……僕は、里奈ちゃんが好き。






……でも、やっぱりアイドルはそう簡単にはやめられない。



……まだ、僕は何も成し遂げてない。




アイドルになった目的を



成し遂げてないから。
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