Bar GRANT



これこそ、本当に拍子抜けだ。



まあでも、そんなでたらめな情報のおかげでこのバーを知ることができたわけだし、良しとしよう。



あの3人組に話を聞いてもらって少しは楽になったし、過去のことはもう忘れてしまえばいい。



バーテンダーの人の良さそうな笑顔を見ているだけで、不思議と心が癒され、俺はあの女のことで悩んでいるのが馬鹿馬鹿しくなった。



今夜は最後のうさ晴らしだ。



「じゃあ、次はジントニックを」



気分が良くなった俺は、金がないことも忘れ、次々とカクテルをオーダーした。
















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