Bar GRANT
2年前、俺があの女に初めて会った日も、雪が降っていた。
ひどく冷える夜で、会社帰りの電車は積雪で遅れていた。
寒いホームで長時間待たされたうえに、満員の車内。
徐行でノロノロ進む電車に揺られるのは、残業続きの金曜日の体にはきつかった。
やれやれ、と駅のホームに降り立って改札に向かおうとしたとき、目の隅がチカッと光ったように感じた。
「…ん?」
違和感の方向を見てみたが、反対路線の電車が走り去っただけで、何もない。