愛しの black panther

「来いよ」



漆黒の瞳の彼に腕を掴まれ、あたしは「やっ」と振り解いた。



「そんな怯えんな…何もしねぇ…こんなとこ居たら危ねぇから…なっ?」



あたしの腕を掴み柔らかく笑う。



その笑顔に何故だか安堵して、無言で頷いていた。



彼はびしょ濡れのあたしを自分の傘に入れた。



そして、あたし達が歩き出した時だった。



「総長っ!翔太さん見つけました…」



「おぉ鉄か…でっ?」



「軽傷です…よく1人で相手したっすよね」
< 4 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop