愛しの black panther

学校への送り迎えもされるようになり、あたしは戸惑っていた。



「あのね…門の前じゃなくって、ちょっと離れて止まって欲しいんだけど?」



「何でだ?」



「恥ずかしいから…だって目立つんだもん!!」



あたしの学校は女子校で、クラスの友達も"ライズ"を知っている。



知らなかったのはあたしぐらいのもんだ。



最初送って貰った時ワーワー、キャーキャーと大騒ぎであたしは驚いた。



その後は質問責めだったし、先輩のお姉様方からの睨みも怖かった。



「なんかあったら直ぐ言えよ…」



「心配してくれるの?…ありがと」



「当たり前だろ」



静かに見つめる漆黒の瞳には、微笑むあたしが映っていた。
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