ガラクタ姫
ユタが好きだから。
そう言おうとしたらヒィの顔が曇っていることに気づいた。
「ヒィのお母さんはウワキするの?」
「うん。いっぱい」
「ヒィのお母さんはヒィのお父さんのこと好きなの?」
「好きだよ。ヒィの前でもお父さんの前でも“好き”って言ってるもん」
「よくわかんないね」
「よくわかんないよ」
そう言って、二人して紅茶をすする。
それはいつもより渋くて茶葉を入れすぎたかな?とあたしは首を傾げた。