<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「もう時間、行く時間。」
「えっ、もう五分。走っていけば・・・。」
「走っちゃだめなの。そういう決まりだから。」

 桜はそう言うなり、雪合戦の中を抜け出した。

 檀と麗羅はすぐに気が付き、桜のもとに並んだ。

 残りはというと、まだ雪合戦している。桜たちの様子に気づいてない子もいる。

「みんな、並んで。」

 っと言うと、いやいや桜の後ろに並んだ。

 流羽奈の顔はもう真っ赤。それでも、まだやろうっと思っていた。


「桜姉ちゃん。まだ、やりたいよ。」

 桜が一歩歩き出した瞬間、流羽奈がだだこねた。

「学校、遅れちゃうよ。」

 桜はしゃがんで、流羽奈と目線を合わせ、優しく言った。

「うっ・・・、うん。」

 流羽奈は、半分嫌な顔だったが、とりあえずうなずいた。

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