<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「二度と桜って呼ばないで!」

 憎き人に、自分の下の名前で呼ばれたくない。

 もう怒り爆発。

 桜だって二度と“海翔”と呼ばないつもり。

 そもそも呼びたくない。

 幼い時の記憶はさようなら。

 さようなら。


 桜は走る。

 海翔は唖然と見ている。

 本気で心配したのに。

 桜は海翔との幼い時の関係から決別するかのように、走る、走る。

 もう、海翔は中学で初めて出会った人。

 小学校は違う。

 そう思おう。

 桜は決心した。




 
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