<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

壱 タスケタツモリ

 二日後。

 雪はだいぶ解け、小さい塊が空しく残っている。

 集合場所の公演は、地面がぬかるんでいる状態。

 それとは関係なく、今日も桜の班は朝から元気よく遊んでいる。

 桜と檀は二人そろって公園に着いた。

「おはよー。」

 まだ、四・五人がいない。

 
 檀はランドセルをベンチに置き、流羽奈たち低学年の子と遊んでいる。

 桜はベンチから離れている、滑り台に寄りかかっている。

 すぐ近くにある桜の木をじっと見て・・・。


――あぁ、あと二か月か、もう卒業だね。

   きっと、桜の咲くころ、いや散るころに中学に入学するんだ。――

 なんだか、むなしさを感じる。

 雪が小さな塊を残して、溶けていったように。



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