<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

参 助けて・・・

 ある日のこと。


「また先に行かれた?」

 いつもの公園に、ランドセル姿はない。

「そう認めざるおえないね。」

 桜は、ふぅーっとため息をついた。

 数日前、美紫依に言われたこと。

 その時から、何となく嫌な予感がしていた。

 檀には言わなかったから、檀はいらついた声で言ってたけど。


――あの時、もっと聞けば・・・――

 桜は、ぎゅうっと唇を結ぶ。

 もっと聞けば、きっとこうならなかったんだって思うと、後悔がしてたまらない。

 冬の冷たい風が吹いて、桜達をあざ笑っているかのよう。

 空はすっきりしない天気。

 どんよりと、灰色の雲が覆っている。



 
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