<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

―― “ここは弱い者同士、団結しないと。やられてばかりでは、始まらない。”――

 檀の声が聞こえる。
 いや、思い出したっと桜はすぐに考えを変える。

 
 ふと、ブランコの方に目をやると、檀と麗羅がブランコに座りながらぺちゃくちゃしゃべっている。


 時計はいつも出る時間をさしている。

 檀と麗羅は立ち上がった。
 ブランコは揺れて、だんだん動きが小さくなっていく。

 そして、ブランコがぴたりっと完全に止まった。

 桜はこくりとうなずいた。

 それと同時に、そぉっとあとの四人が桜の後ろについてくる。

 そのまま、桜たちは公園に背を向けた。


―― “こうなったら、みぃちゃんたちより先に出ちゃえ!”――


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