17歳の不良と6歳の殺し屋
暗い路地を通り抜けて、大通りに出る。
今は夜の12時。
ガラの悪い奴らがゾロゾロと群れて歩いている。
時々、雫の方を振り向いては顔を青ざめ知らん振りをする輩も多い。
雫はそんな事に気にも留めずに家へと向った。
ガチャリと家の鍵を開けて中に入る。
真っ暗な闇が広がる室内。人間の気配がどこにもない。

「…母さん」

ポツリと呟く。少しだけ気配を感じたように思えるが返事は返って来ない。
母親は家の中でも身を隠すようになった。時には雫にさえ怯える事もあるのだ。
だが、彼女にとって今縋れる存在は雫しかいない。
そんな事は雫にも充分にわかっていることで、だからこそこの母を放っておけないのだろう。

(それにしても…)と雫は思う。
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