イケメンゴースト

純×杏☆☆


「杏?帰る?」
「うん」

「じゃあ行こう」

私達は部屋をあとにする。
やっぱり手は握ってるよ。
お互い熱を持ってるから
汗で湿ってるけど……。

自転車にまたがると純が手を後ろに出してきた。
私はその手を握る。

「杏。俺、お前のことすげぇ大事にするから」
「うん」
「俺が18になったら結婚してください!」
「うん!」

「じゃあ出発!!」
「出発!!!!」

前に向き直って純がペダルをこぐ。
来る時とは違ってゆっくりと、時間を噛み締めるかのように。
< 196 / 346 >

この作品をシェア

pagetop