イケメンゴースト
「夏。不安だったんだね。
 責任感じてたんだね。
…でも、私はいなくならないよ?
私だって夏の居ない未来なんて嫌だもん。
だからずーっと隣に居る。安心して…?」


「…っっうん…っ」
夏は涙を払うと
強く抱きしめてくれた。

「杏。大好きだ。愛してる…好き。」

夏は私の胸に顔をうめてるから
顔が見れないけど
たぶん赤くなってるんだろうなぁ。

   「夏…」
   「杏。」
お互いの名前を呼びあって
返事が返ってくる。
たったそれだけの普通なことが
今の私達にはとても愛しく大切で、
儚くて、かけがえのないことに思えたんだよね…。

  「手術、頑張ってね」
  「うん。ありがと…」
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