ココとマシロ

「だって、それが目的なんだから」


ココ以外の人間には全く興味がないマシロにとっては、それは当然で、ごく当たり前の答え。他への配慮なんていらないし、する必要もないため、何の悪びれも無く目の前の人間にそう告げた。


すると笑華はなるほどと。「へぇ〜」と呟きながらニヤニヤとにやけて見せた。マシロのその答えが気に入ったのだ。真っ直ぐでブレない、本物しか無いその言葉が。


「…良いよ、信じるよ。つーか色々あったし、こんなの信じるしかないってゆう」

「………」

「それにあんたに言われなくても助けるつもりだったよ、ココちゃん良い奴だし。ただ少し噛み合わなくなったっつーか」

「………」

「ま、なんかあんたも良い奴そうだしね。あ、マシロだっけ？あたしの名前は――、」

「ダメだ！」


突如辺りに響いたのは、制止をかける怒鳴り声。

一斉に声の方へと目をやる二人の先にいたのは――肩で息をする、直哉だった。