*恋の味[上]*【完】


「お姉ちゃん?」

私が怪訝な顔をしているからか、心配そうな顔して呼んでるしほちゃん。

「あ、ごめんね?」

「そこにいんのか?」

当たり前だろ!

こんな可愛い子、放置できっか!

誘拐されらぁ!

「可愛い声だ。よし、許可する」

は?ふざけてるでしょ。

職員室にいるからだと思うが、「可愛い声だ」を小声で言った。

だから、お返しに大声で、

「可愛い声ですよね!では、失礼します!」

と言って切った。

で、もう1回かかってきたら嫌だから、電源も切っておいた。

はっ、ザマーミロ。

「お姉ちゃん大丈夫?」

今度は1人で笑っているからだと思う。

大丈夫っていうのは何に対してだ?

かなり気になったけど、そこは抑えて、

「え?なにが?大丈夫だよ」

と答えておいた。

ごめんね?しほちゃん。こんなお姉ちゃんで!


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