*恋の味[上]*【完】

現実と幼なじみ



「……ハァ…ハァ…は?…空真さ…ん?」

よほど疲れたのか、過呼吸手前の雷斗と由良と千年くんと、息を詰まらせながら話す倉橋くん。

私の所為かと思うと、凄く申し訳ない。

「……真麻っ!」

「わっ」

ちょ、……ぐるじい…。

力強く抱きしめるのは由良。雷斗と千年くんはやわらいだ笑顔を浮かべてる。

「ご、ごめん!」

「ううん、私がごめん。迷惑かけて…」

こっちにズカズカと来る倉橋くん。

「空真さん。話したんスか?」

「あぁ、途中まではな」

「ということは、あのことは?」

「両方今から話す」

「そうっスか…」

深刻だけど、何の話?

てか、お父さんと倉橋くんは知り合い?

「真麻の友達か?座ったらどうだ?」

「えっ…あ、はい。失礼します」

由良…そんなに緊張しなくても。

確かに少しガラは悪いけどさ?金髪だし口悪いし。

でも中身は普通。いや、それ以上だと思う。

お母さんのことをずっと思ってるんだもん。

次々とみんな座って、お父さん・倉橋くん・千年くんのペアと、私・由良・雷斗のペアで座った。

「真麻、みんなが知ることになるけど大丈夫か?…蒼空は知ってるが」

「あ、コイツら麻美さんから聞いてますよ」

え、お母さんが?!

お父さんは一瞬驚いたけど、すぐに元の表情に戻った。


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