*恋の味[上]*【完】

松川家



ピピピピピ……

「んんー」

最悪。今日から夏休みなのに……いつも通りの時間、5時に目覚ましをかけてしまっていた。

私は二度寝ができない体質だから、仕方なく起きた。

今日は、お母さんのいる病院にいく日だ……。

病院は少し遠くて、でも歩いていく。


♪〜♪〜……

携帯……誰よ、こんな朝っぱらから……。

[着信:松川由良]

あんのっばか!

「もしもし……」

「真麻おはよう。朝っぱらからごめんね」

「ほん…「あのね」

無視かい。

「今から…家きてくれない?」


は?こんな朝っぱらから?

お母さんのとこにいくのは、昼からだから別にいいんだけど……。

「なんで」

「え゛……、今日ね……千年くんと…遊ぶ…から……」

あぁ、千年くんと……

………え?千年ぇぇぇ?!

「えっなんで?!どうして?!」

「ちょっ!落ち着いて!……いやぁ……みたい映画が一緒で……見に行く?みたいな……」

「はぁ〜へぇ〜ふぅん」

まっ、そこらへんの理由だと思ってたけど!

「楽しんでね!」

「うん」

千年くんかぁ!

「じゃあ、ばいばい」

「うん………じゃなくて!服を選ぶの手伝ってほしいの」

チッ……めんどくさ。

由良んちに行くなんて冗談じゃない。

「無・理!私にも用事があるの!」

「お願いぃぃぃ!今度、駅前のパフェ奢るから!」

パ………パフェ………。

「うん、いいよ」

「じゃあ、車向かわせるから」

あ、由良お金持ちなんだった。

「はいよ」

暇潰し気分でいっか!


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