見知らぬカレと同居生活!?
「ちわー!お世話になりまぁす!!ムサシ宅配便でぇす!」

にこやかなお兄さんが立っていた。

「た、宅配便……」

あたしは腰が抜けて、男の子の足元に座りこんだ。

「………も、もうっ!からかったのね!?(泣)」

彼は、クックッと肩を震わせて笑いながら、
「んなマジになるとは思わなかったんだよ」
と言った。

意地悪っっ!!!

◆◆◆◆◆◆◆

大きくてたくさんある段ボールはあたしの分。

少なくて小さい段ボールは男の子の分だった。

荷物を開き、中にあったお気に入りのぬいぐるみを出して、抱きしめながら、あたしは聞いた。


「あの、名前……名前なんていうの?
あたしの名前は」

「そら、だろ?」

「え!?なんで知ってるの!?」

「ココに飛びこんできて開口一番に、そらでーす!て叫んだじゃん。」

彼は、段ボールから取り出したタオルを持ったまま、あたしを見てニヤニヤしていた。

「………あ、そ、そっか。
うん、そらです。小早川 想良。
大学1年になるの。
あの、あなた……は?」

「………俺の名前は、まぁ、いーじゃん、なんでも。」

「名前ぐらぃいいじゃないのよー!?
あたし達、初めての友達になるかも知れないんだし!!」

「……でも俺、賃貸が見付かったらすぐ出てくんだから。
名前知らなくても差し支えねーじゃん。」

「それまでのあいだ、名前呼べないじゃーん!!
ね、教えてよぉぉお。」

彼は、クシャと髪をかきながら、ボソッと答えた。

「大野。大野 快晴(おおの かいせい)。俺も大学1年になる。」

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