あんな。めっちゃ、だいすきです。
「ええーと……おか…おか…」
「岡野です、織田山さん」
「ああ〜!岡野さん!!いかんね〜、すぐ忘れてまうんよぉ」
にっこりそう言って、織田山さんが右腕を差し出してくる。
ほそい、しろい腕。
「朝の血圧、そろそろ計る時間かねぇ」
「あ……あっ、そうですね!!すごい織田山さん、ちゃんと時間見てるんですね〜!!」
時計見たら、たしかにもう血圧測定の時間。
血圧。
血圧計のマジックテープをビィって開いて、織田山さんの腕に当てる。
ほんま、ちっちゃい華奢な腕。
ぷにってどこでもつまめるウチのと全然違う。
台の上に叩きつけられた、ぶっとい左腕とも…全然。
『……そんなんで看護師なろうとしとるんか?』
頭ん中に、低い声が何重にもなって響いた。
「あ……あれ………、」
指先が、ふるえる。
なんで。なんで。
体がこわばってまう、緊張する。
ただ血圧、計るだけやのに。