あんな。めっちゃ、だいすきです。




「「いただきます!」」


目の前には、湯気の立ったチャーハンとスープ。


あんかけがちょっとドロッとしすぎたけど、まぁ成功。


ふたりで声合わせて、手も合わせる。

一瞬実家に戻った気分になるから、なんか、不思議なかんじや。


おとうさんはまず中華素スープを一口飲んで、そのあと一口、チャーハンを食べて。



「……おいしい」



ぼそりと、そう言ってくれた。



「おいしいわ、みとも」

「ありがと。よかった」



ふたり分の、ずずーっていう音と、スプーンを口に運ぶ音。


…何しゃべったらええんやろ。


実家でもおとうさんとじっくりふたりきりってあんまなかったから、正直ちょっときまずい。


そっとおとうさんの顔見たら、



「……………、」



…びっくりして、ちょっと固まった。


だってほんまに嬉しそうに、おいしそうに、食べてくれてたから。



「…いつの間にかこんなんパパッと作れるようになったんやなぁ…」



しみじみそう言われて。


なんか恥ずかしくって、口もごもごしながら、どーもって言うしかなかった。


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