あんな。めっちゃ、だいすきです。




「…やっぱり出えへん」



何十回のコール音を聞いたあと。


携帯の通話停止ボタンを押して、ため息をついた。


連絡した先はおかーさんが滞在してるはずの、おばあちゃんち。

一応実家にも連絡してみたけど、つながらんかった。



「みとも…あの……」

「あかん。ずっとコール鳴りっぱなし」

「…そ、そうか……」



おとうさんは居心地悪そうに、部屋の隅でちっちゃくなってる。


携帯手にぶら下げたまま、わからんように、小さなため息をついた。



…おかあさん。


一週間で迎えにくるってゆうてたやん。


一週間だけあずかっといてって。


その間に、ちゃんと気持ち落ち着けるからって。



「どういうことよおかあさん……」



イライラした気持ちで携帯を握りしめる。


もしまだ迎えにこれへん事情があったとしても、普通なにかしら連絡くらいするやん。


それやのにこっちからの電話に出る気もないって…!!



でもおかしいなって、疑問に思う気持ちもあって。


おかあさんは自分勝手なとこあるけど、ちゃんと約束は守る人やから。



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