あんな。めっちゃ、だいすきです。









──就職試験は、地元で受けた。





「あなたが当院に来たとして、どういった看護ができると思いますか?」



面接官は全員男の人で、3人。



緊張が走る手のひらをぎゅっと握りしめ。


右足と左足はピッタリくっつけて、すき間なく。


姿勢をビシっと正して…まっすぐ前を見る。





「自分が病気になったことで、辛さや苦しさを身をもって体験しました。だからその分、患者さんの心に寄り添った看護ができると思っています。自分自身が味わった辛さを、過去のマイナスとして後悔するんじゃない。将来の、プラスにしていけると思います。」





おとうさんが、頑張りな!ってゆうてくれた仕事。


おかあさんが、みともなら向いとるよって後押ししてくれた職業。


いっちゃんが、「感動した」ってゆうてくれた、ウチが看護師になりたい理由。



…自分の、看護師になりたいっていう気持ち。










一週間後。




ポストに、緑色の封筒に入った…合格通知がきてた。








消印は地元の、昔からよく知ってるなじみのスタンプやった。






















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