シュガーズ

give in



くーちゃんの話を聞いてますます彼がわからなくなったな


イライラするし
むしゃくしゃする


人の気持ちがわかんないことがこんなにモヤモヤするなんて……


あーぁ


これ以上頑張り続けることに何か価値があるのかな?

今まで選択肢になかった


゙降参"の二文字



どれだけ頑張ったって晴緋君はあたしに振り向かない

変わらない事実


あたしに……落とせない男がいるなんて認めたくないけど

彼の気持ちは少しもあたしにない

それくらいわかってるの


「………はぁ」


悔しい

辛い

だけど泣けない

あたしの涙はとっくの昔に枯れたの


こんなに胸が痛いのはあたしが晴緋君を純粋に好きだったから

まだ普通に恋愛できたんだね あたし

でも今までみたいな自信があたしにはない


だから おしまい

たぶん諦めたほうが簡単に楽になれる

つまらないプライドなんか捨てて早く忘れよう

忘れたい




1人で廊下を歩いていると肩がぶつかる



「あっ……ごめんなさい」


痛いなぁ もう……



「ぶつかったの わざとだよ」

「はぁ?!」



顔を上げるとそこにあったのは笑顔



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