シュガーズ


「…………。」


あーぁ

なんかむかつく


「ねぇ 嶋林先輩」

あたしの服に手をかける先輩に冷めた声で言う


「ホテル 連れてってよ」

「え?」

「こんな虫とかいそうなとこでヤりたくない」

「……抵抗しないんだね」

「別に」


目も合わせないあたし


「近藤に騙されてたんだよ?澪梨ちゃん……強いね」


先輩はあたしの手を引いた


「それともただ淫乱なだけか」


「………さぁ?」


「ってなわけだから彼女お持ち帰りするわ 近藤」

「お……おう」


近くから祐夢先輩の声

彼女が犯されるのこっそり見ようとしてたわけ?

キモい


「祐夢先輩」


立ち去るときにあたしは言う


「あたしのこと落とせて満足?別れてもいーし別れなくったっていいや」


あんたに溺れてなんかない

あんたがいなくったってあたしはなんとも思わない


「………。」


祐夢先輩は黙って下を向いた


泣くと思った?

怒ると思った?

信じてたのに とか言うと思った?

あたしはそんなに簡単な女じゃない

好きじゃない人にだって甘い声は出せるし


「………バカな男」



本当につまんない
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