美男子症候群!?
あたしが鼻血女子でなければ、そんな風に楽しむことも、もしかしたらできたのかもしれないけど。
残念ながらあたしには、そんな余裕は持てそうにない。
「野宮」
うう、そして今日も危機にさらされるわけです。
拓海くんがうしろから、べったりあたしの背に張りついて、肩にあごを乗せてきた。
「弁当美味そう。卵焼き1コくれ」
「差し上げますので離れてください!」
「それはムリです」
ムリなわけあるかぁぁぁぁ!
拓海くんはあたしにくっついたまま、あたしのお弁当から卵焼きをひょいとつまんで、食べてしまう。
ニヤニヤしてないで助けて親友。
出血多量で死ぬのが先か、篠田さんに呪い殺されるのが先か。
どっちにしろこのままじゃ、待っているのは『死』のみだよ。
「美味い。けど足りない」
「足りないって、拓海くんお弁当は?」
「忘れた」