美男子症候群!?

ぼそりと呟いて、拓海くんは窓際から離れた。


掃除用具のロッカーに、乱暴にモップをしまって、自分の鞄を持つ拓海くん。



そのまま教室を出ていってしまうから、あたしはあわててあとを追った。




「待って、拓海くん!」



「……野宮。おまえ陸斗と連絡とってるな」



「あ……うん。メールだけ」



「やっぱりか。……もうどうでもいい」



「どうでもいいって……。拓海くん、どこに行くの?」




止まらない拓海くんに、あたしは小走りでついていく。


なんだか、このまま拓海くんを帰しちゃいけないと思ったんだ。



拓海くんはあたしを振りきるように早足で、ついていくのがやっと。




「どうでもいいだろう」



「よくないよ!」



「……やめるんだよ」



「やめるって、なにを……」



「学校」

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