美男子症候群!?
そんな風に悩んでいたら、あっという間に委員会が終わってしまった。
よし、すぐ帰ろう。
拓海くんに捕まる前に、いますぐ帰ろう。
家で久木先生も待ってるしね。
鞄を持って勢いよく立ち上がる。
「野宮?」
ギクギクギク!
呼ばれて思わず固まってしまった。
「また逃げるつもりか?」
拓海くんが、横に立ってあたしの耳元でそう囁いた。
笑ってる感じの声だけど、確実に笑ってないよねこれ。
「に、逃げるだなんて。用事があるから、はやく帰らなきゃなーと思っただけで……」
「へぇ? 用事って?」
「それは……」