インプラント
失踪
電線が複雑に絡みあい
まるで蜘蛛の巣の様。


電飾のついた看板が
無秩序に煌めく様を


ジャングルと比喩した
人の感性は素晴らしい。


汚水舛から立ち上る悪臭は
もはや懐かしさすら感じる。


そんな街をひとりで歩いている男。


男は焦っていた。
男の顔には焦燥が張り付き
目じりにはうっすら涙もにじんでいる。


負のオーラを放つこの男。


実は先ほどまで幸せの笑顔を浮かべていたのだ。
しかし今は見る影もなく下を向き歩いている。


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