半熟cherryⅡ

体中を巡る血液の流れが。

わかりそうなくらい心臓が音を立てる。



体の奥の奥。

手の届かないところがえぐられる。



痛くて、痛くて。

腹ン中が泣き叫びそうになってる。





これ以上言葉を吐き出せば。

何を言いだすか自分でも予想がつかない。





でも。





好きな女の前でくらい。

カッコつけさせてよ。





ひとつだけ。

ため息混じりの息を吐くと。





『…今度は泣かされんなよ』





これ以上は言えねぇよ。





だって。

俺なら。

お前のコト。

泣かさねぇもん。





…ガマンしきれなくなる前に。

視界が若干揺らぐのを感じながら。

保健室を出た。



 

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