半熟cherryⅡ

「私、職員室行ってくるけど。
帰るなら窓閉めていってね」

書き物が終わったのか。

プリントをまとめて一美センセイが保健室から出ていった。



『「…へーい」』



保健室には俺と涼真だけになった。





「最近茜とはどーよ?」

慣れたように奥の冷蔵庫から冷えた缶コーヒーを出してくる涼真。

『どーもこーもナイ。
宿題やった日からまともに話したの今日が初めて』

涼真がくれたコーヒーを受け取りながらため息を吐いた。





そりゃ社会人だし?

…教師だし。

新学期の用意やら忙しいのはわかるけど。

電話もなければメールすらナイ。



…茜サン。

ちょっとはかまってくれてもよくないデスか?

仮にも付き合い始めたばかりなんデスよ、僕たち。

付き合って何年もたってる安定感抜群なカップルとは違う。

まだ手探りで付き合っているような時期。



 

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