♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「何やってんの…?」

彩木は頂上付近まで登った観覧車の中で、あたしのほうへ移動する。

「こっちのほうがいいじゃん」

誰も歓迎してないのに、彩木はあたしの隣に堂々と座る。



「瀬戸内の様子も見えるしね」

窓の外へ視線を向ける彩木。

それに気づいたのか、瀬戸内も顔を上げた。

視線を合わせた二人の間に、一瞬緊張が走った気がした。



「あいつ、何でもできすぎなんだよ」

あいつって、瀬戸内のことか…?

彩木は、窓の外に視線を向けたまま言った。



「そう思うでしょ、美月ちゃん」

彩木は冷たい目で、あたしを見下ろす。

ニッコリ微笑むと、あたしの肩に手を回した。
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