♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「どこ行くの?」

マイクを握ったまま、体育館を出てしまった。

グイグイ引っ張っていく瀬戸内に、小走りでついていくあたし。

何も言ってくれない瀬戸内の後ろ姿に、不安になる。



「瀬戸内、離して」

瀬戸内は振り返ることなく、ガラッと教室の扉を開けた。

誰もいない教室

あたしも引っ張られて、教室の中に入る。



やっと、瀬戸内が振り返る。

瀬戸内は、あたしの背後の扉をパタンと閉めた。



立ち止まって、初めて気づく。

あたし、そうとう息上がってる。

かなり早歩きしたせいか…

さっき、とんでもないこと言ってしまったせいか…

あたしは自分の胸に手をあてて、大きく息を吸った。
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