♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「美月、大丈夫?」

あたしの目の前で、人間の手らしきものがヒラヒラ動いている。

「ちゃんと起きてるか…!」

その手が、あたしの頭をバシッと叩いた。



「愛菜…?」

自分の席に座ったまま、声の主を見上げるあたし。



「やっと気づいた…
あんた、朝からずっとオカシイよ」

「…そうかな」

空いていたあたしの前の席に、勝手に座る愛菜。

あたしの隣にいたらしい愛菜の存在に、全く気づかなかった。



「まぁ、昨日のことだもんね…」

あたしの机にヒジをついて、愛菜は意味深にのぞきこむ。
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