♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「今日うちの親いないし、遠慮しないで!」

そう言うと、パタンとドアを開けて一階へ降りていく愛菜。

意外と片付いてる愛菜の部屋には、あたしと萌だけが取り残されている。



「今日は、ごめんね」

小さなテーブルに向かって並んで座る二人。

「あたしも、美月くるって知らなかったんだ。

一緒にくればよかったね」

遠慮がちにのぞきこんだあたしに、いつものように微笑む萌。

「うん」

天使みたいな萌に胸が痛む。



「美月は、どうだった?」

「えっ?」

「瀬戸内くん、上手くいったんでしょ?」

「そんなことないよ…
まだ返事もらってないし」

まっすぐな萌の視線にたえられなくて、うつむくあたし。
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