♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
ジュースだけ買って、まっすぐ愛菜の家に戻る。

ジュースが入った袋を抱えて、部屋のドアを開けるあたし。



「ただい…」

ちょっとだけ開いたところで、手を止める。

ドアの隙間から、あたしは見てしまった。



「どうしたの…?」

「…何でもない」

不思議そうにのぞきこむ彩木に、振り返って笑顔を作るあたし。

さっき、瀬戸内と萌が…

あたしの気のせいだと思いたい。

首を軽く横に振って、顔を上げる。



「ただいま~」

あたしは、瀬戸内と萌が待つ部屋のドアを勢いよく開けた。
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