♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
「ちょっ…」

もう笑ってごまかせる雰囲気じゃない。

「あいつみたいに、寂しい思いはさせないから」

彩木の手が、あたしの背中に回される。

その言葉も、その手も意外と温かい。



「彩木…」

彩木の胸の中で、微かに目を泳がせるあたし。

こんな時、どうしたらいいのかわからない。

あたしは何も言わずに、抱きしめられたままになってしまった。
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