七色のクレヨン
第四章



診察室の外で待つ母に歩みよると、母は
「何て言われたの?」
そう問いかけてきた。
私は狐に包まれたかのような気持ちで答えた
「私、白血病だって、入院して治療しようって..」
私は涙を堪えきれず、
母の足元に崩れ落ちた。
下を向いているから分からないけど、
きっと母も泣いているだろうと感じた。


病院だというのに私は声を抑えずに泣いた。
後ろを通りすぎていく人達の声が聞こえてくる。
母は我に返り会計へと足を運んだ。
会計を済ませ車に戻った。
車の中で母は私の身に起こった病の重大さを感じ大粒の涙を流した。


< 13 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop