単細胞生物


雪はいつも儚げだった。



真っ白な肌と頼りなさげにある細い鼻筋と唇。


それらがより一層それを助長する中、


瞳だけはその存在感を主張しているようだった。




彼女の大きく、潤んだ瞳に見つめられる度に心臓が壊れそうになる僕は、



それらを抑えるために、彼女の長いたくさんのまつげと、小さななきぼくろを見ることが癖になっていた。

< 5 / 25 >

この作品をシェア

pagetop